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コロナ禍のロシアで注目を集めるfoodtechスタートアップ企業4選

2021年も引き続き、withコロナの一年となった。東京都では4回の緊急事態宣言が発令され、海外への渡航・帰国も厳しい状態となった。

そのため、世界的にも展開されるビジネスはコロナ禍を意識したものが増加した。パンデミック下でも食事は人間にとって欠かせないものであるため、foodtech(フードテクノロジー)は近年最も重要なテクノロジーとなっている。

今回は、そんなfoodtechのスタートアップを紹介していく。

1.ロシアを取り巻くfoodtechの現状


①注目を集めるfoodtech
今日、様々なテクノロジーが活躍する中で、foodtechは最も注目すべきテクノロジーの一つと言えるだろう。
ロシアのコンサルタント企業“INFOLine“の調査によると、2021年第二四半期でロシアのfoodtech市場は13%成長した。また、INFOLineは2024年までにこのビジネスの取引高は1兆ルーブルを超えると想定している。

foodtechの中でも食品の宅配サービスの分野は特に成長が大きく、ここ1年半ほどずっと成長を続けており、2021年第二四半期の取引高の合計は420億ルーブルに達した。ロシアの食品企業「フクスヴィル」は、オンライン取引率が半年で4倍に増加した。

世界的に見てもfoodtechは急成長を遂げている。

モスクワを拠点としているベンチャーフォンド“Fuel for Growth”によると、2021年上半期のfoodtech分野において、521件の投資取引が合計163億米ドルで実現した(昨年比66%増)。


②foodtechのカテゴリー
ロシアにおけるfoodtechは「宅配」「サービス」「未来の食事」「食品ロスの削減」「メディアとコンテンツ」の5つのカテゴリーに大きく分けられる。

・宅配
食料品や料理を店舗やオンラインマーケットプレイスから宅配するサービス
(例)料理セットサービス、レシピ付き食料品宅配サービス、食料品店からの宅配サービス、農園からの直送サービス、ダークキッチン(宅配でのみ料理を提供するレストラン)

・サービス
クラウドシステム・データ管理・ロボット化などのソリューションによって、カフェ・バー・レストラン・食料品店の業務を最適化するサービス
(例)自動販売機などのロボット化・AIの活用、ホテル・レストラン・カフェの自動化、食料品店・レストランのデータ管理、供給ラインの最適化、ケータリングの集約

・未来の食事
微細藻類や人工肉などの次世代フードを製造する企業、研究開発・実証実験を経て仲介流通業者を通さずに販売するD2Cの形式をとったイノベーションブランド
(例)スーパーフードやその他の次世代フードを取り扱う食品企業

・食品ロスの削減
包装のイノベーションを開発している企業、レストランで廃棄される食料品の量を減らしている企業
(例)食品廃棄物の量の減少に取り組んでいる企業、摂取・生物分解可能な包装を製造する企業

・メディアとコンテンツ
カフェ・バー・レストラン・割引・株に関する情報のアグリゲーター企業
(例)食品市場に関する情報のアグリゲーター


2.スタートアップ紹介


①Elementaree(宅配)

Elementareeは、シェフが用意した材料をパッキングして届けるサービスを展開している。2013年に当時ハーバードビジネススクールの学生であったオリガ・ズィノヴィエヴァがこのビジネスのアイデアを発案し、2014年にモスクワでプロジェクトを立ち上げた。

Elementareeは昨年の本サイトの記事でも紹介されている。
https://www.sami-russia.jp/covid-19_startups/


②iiko (サービス)

iiko(アイコ)は、レストランのマネジメントをAIなどのソリューションなどを用いて提供するサービスを展開している。Iikoはイートインレストラン、カフェ、バーなどの事業プロセスを自動化するためのERPシステムを提供することで、ユーザーが注文や会計の記録管理、スタッフのシフト管理までマネジメントできるようにしている。


③GrowFood(宅配・未来の食事)
(画像:同社アプリより)

GrowFoodは、オンラインファーストレストランである。アプリ上で生年月日や身長・体重、運動の頻度、理想の体重を入力することで期間に応じた食事プランを提供するサービスを展開している。現在モスクワとペテルブルクでサービスを利用することができる。


④Qummy(未来の食事)

クラスノダール発のfoodtechスタートアップQummyは冷凍技術を用いてレストラン向けに味と香りを維持した健康・オーガニックな食品を提供するサービスを展開している。同社の食品は180日間保存可能である。

今年11月にはQummyは BtoC市場に進出し、電子レンジロボットによる食品配達サービスを始動している。



このように、foodtechはロシアのテクノロジー事情を語る上で欠かせない分野となっている。foodtechはパンデミックの拡大を恐れ、時間と手間の節約を望んでいる現代の私たちの生活を支えているのだ。

foodtechがコロナ禍の世界でどのように発展していくのか、今後も目が離せない。
(執筆者:丸山梨緒)